前回のNHK BS「英雄たちの選択」は、
明治始め、首都は三択だったというテーマだった。
3つの候補とは、
・大阪
・江戸
・京都、江戸両都
まず遷都そのものを提案したのは、大久保利通だった。
彼は、「これまでの天皇の在り方を刷新したい。」
「京都で公家に囲まれたままの天皇では近代化を図れない。」
「近代日本に生まれ変わったということを国内外に強くアピールしたい」
と考えていた。
具体的に大久保は大阪遷都案を打ち出したが公家の猛反対にあい頓挫した。
更に幕末の戦いで街が傷ついているというのと、道が狭い、大きな船が停泊
出来ないというのもマイナスだった。
すると今度は、前島密が江戸遷都案を掲げた。
当時世界最大の都市で、江戸城や大名屋敷が無傷のまま残っている。
それらを官庁、役所として使える。
さらに海外の大きな船を受け入れ可能な横浜が近い。
まだ新政府に反発していた東北の諸藩を鎮めるためにも、
江戸で御意向を広めるのがよい。などが江戸を推す理由だった。
3つめの京都、江戸両都案は、江藤新平らによる発案だった。
両都ならば公家の反発が少ないというのが理由だったが、
京都~江戸間を頻繁に行き来するとなると、
当時は交通網が未整備で、解決するには莫大な予算と時間が必要になるのが
ネックだった。
ついに、大久保は「御東幸」を決定する。
ただし、京都の公家に配慮して遷都という表現は使わずに、
江戸に来てもらうというカモフラージュした表現にした。
そして江戸は東京と名前が変わる。
これで事実上の東京遷都になったが、明治政府は最後まで東京遷都を
宣言しなかった。そのまま現在に至っている。
今年は明治150年、江戸ロス150年です。