八月のころの話になるが、
今年度の売り上げ見込みが、昨年度から三割減となり、五年前のピーク時
と比較してほぼ半減になりそうだという社内報が回覧された。
それと同時に、従業員数の見直しをするということも記載されていた。
今月末に約全従業員の一割に値する人数が退職することになり、
そのリストが発令された。
これから第二弾が始まり、対象者に面談を行い希望退職を募ることに
なる。希望者は年内退職だろう。自分は対象外になってしまった。
募集人員は示されていないが、雰囲気からして、今回の募集のみでは、
足らないだろうという話がどこからともなく聞こえてくる。
今の経営数値や、商権の獲得状況を考えると、もう浮上の余地は
無いと言い切れる。沈没するのを待つだけだ。
毎年リストラをする際、将来へ向けての構造改革などと美辞麗句
を掲げているが、短期視野に立ったその場を逃げ切るためだけの
施策であることは明らかだ。
社内では、あちらこちらで、会社をいつ辞めるか誰が辞めるかの
話題が持ち切りだ。
自分も今までは、トイレに行った時や、周囲に人がいない時だけ
「辞めたい」とか「早く辞めないと」と溜息をつきながらこぼして
いたが、今は自席でもお構いなく、上記のような独り言を吐くようになった。
リーマンショックのときよりも、遥かに悪い状況だ。
あのときは、世の中全体が沈んでいたが、今回は自滅型だ。
年度末にもリストラがあるだろう、
そしてそのときは、対象者を拡大する可能性が極めて高い。
楽しみにしている。